甚平と作務衣、どっちを選ぶ?初めての方向け選び方ガイド

「甚平と作務衣って、見た目が似ているけど何が違うんだろう?」 そんな疑問を持って検索された方も多いのではないでしょうか。
どちらも和のくつろぎ着として人気ですが、実はつくりも役割も少しずつ違います。この記事では、よくいただくご質問をもとに、それぞれの特徴や選び方、お手入れ方法まで詳しくご紹介します。
甚平と作務衣、そもそもの構造の違い
甚平も作務衣も、上衣と下衣に分かれた「二部式」の衣類で、着物のように帯を締めずに着用する「簡易服」に分類されます。着付けの知識がなくても気軽に着られるのが、どちらにも共通する魅力です。
着方もシンプルで、上衣を羽織って前を合わせ、腰の紐を結ぶだけで着用できます。頭からかぶる動作も、ボタンを一つずつ留める手間もなく、紐の結び具合ひとつでゆったりとした着心地にも、きゅっと引き締まった着心地にも自在に調整できるのが、紐で結ぶ衣類ならではの心地よさです。

さて、甚平と作務衣の大きな違いのひとつが「袖の形」です。甚平の袖は「筒袖(つつそで)」と呼ばれる形で、着物の袖にあるような袂(たもと)がなく、袖口にかけて細くなることもない、まっすぐな筒状の袖になっています。下衣はひざ丈のハーフパンツのような形です。
一方、作務衣の袖は手首に向かって少し狭まる形で、袖口にゴムが入っているものもあります。下衣は長ズボンタイプで、裾を紐で絞ることができます。裾を絞ることで、屈んだり動き回ったりしても裾が邪魔になったり何かに引っかかったりしにくく、寒い時期には裾からの風の入り込みも防げます。また、ウエスト基準でサイズを選ぶとズボンの丈にややゆとりが出ることがありますが、その場合も裾を絞ることで丈を調整できるので安心です。もともと作業着として使われてきた作務衣らしい、動きやすさへの工夫のひとつです。

甚平の特徴:夏を涼しく過ごすための工夫
甚平は、上衣が七分丈ほどの筒袖、下衣がひざ丈というつくりが基本です。現在では夏のホームウェアの定番として親しまれていますが、お祭りや夏のイベントで着用される方も増えています。
夏の衣類らしく、涼しく快適に過ごすための工夫も随所に見られます。弊社で取り扱っております甚平は、綿のしじら織生地を使用しています。綿は吸水性に優れ、着込むほどに肌になじみ柔らかい着心地に変化してまいります。また、しじら織特有の凹凸が肌との接触面を減らすため、汗をかいても肌にくっつきにくいのが特長です。また、袖付けの部分には「梯子レース」と呼ばれる装飾を施し、風通しを良くする工夫もされています。

作務衣の特徴:一年を通して着られる万能さ
作務衣はもともと禅宗の修行僧が作業着として着ていたものです。現在では、動きやすい作業着として、また普段着・部屋着としても広く愛用されています。
甚平が夏向けの衣類であるのに対し、作務衣は生地の厚みや種類によって、盛夏を除くほぼ通年で着用することができます。弊社では、以下のようなバリエーションを取り扱っています。
- デニム生地:厚みがありしっかりしていながらも柔らかい風合い
- 刺子織生地:見た目の重厚感に反して軽く、着心地の良さが特長
- 久留米絣織:日本製にこだわった上質な風合い
- 平織:平織生地の柔らかな肌触りが魅力
- 綿入れ:中わた入りで冬向けの防寒仕様

来客対応もしたいなら、作務衣がおすすめ
「部屋着として着たいけれど、来客時にもある程度きちんと見えるものが欲しい」という場合は、作務衣をおすすめします。いかにも部屋着という印象になりにくく、そのまま来客対応をしたり、庭仕事やちょっとした外出をしたりすることもできます。
甚平でもお祭りや近所へのお出かけ程度であれば問題ありませんが、どちらかというとくつろぎ着としての側面が強く、外出は近場にとどめておくのがちょうど良い使い方です。

初めての方には、平織・刺子織作務衣がおすすめ
作務衣を初めて試される方には、平織作務衣か刺子織作務衣をおすすめしています。
平織作務衣は少し薄手ですが、色落ちが少なく柔らかな着心地が魅力です。
平織(ひらおり)は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を一本ずつ交互に交差させる、もっともシンプルな織り方です。織物の基本となる組織のひとつで、構造がシンプルな分、生地の表面がフラットで摩擦に強く、通気性が良いのが特長です。古くから木綿の織物に広く使われてきた織り方で、シャツ地やゆかた地など、肌に直接触れる衣類にもよく用いられています。凹凸のある刺子織に比べると軽やかで柔らかな肌当たりになるため、はじめて作務衣を着る方にも取り入れやすい生地です。
実際に手に取っていただいたお客様からは、その柔らかさや軽やかさをお気に召していただくことが多い商品です。真夏を過ぎて少し涼しくなってきた頃合いに、季節の変わり目の一枚としておすすめすることもあります。

刺子織作務衣は、見た目の重厚感に反して思いのほか軽く、気軽に着られると好評をいただいています。先染めの生地を使用しているため色落ちがしにくく、深みのある色合いが楽しめるのも特長です。
刺子(さしこ)というと、本来は手作業による伝統技法で、剣道着や火消半纏に使われてきたことから「厚手で丈夫、防火性がある」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。弊社の刺子織は、その伝統的な凹凸感や風合いを専用の織機で再現した綿織物で、見た目の凹凸感はそのままに、着用感は軽やかに仕上げています。「Sashiko」は海外でも認知度の高いキーワードのひとつで、日本らしい風合いを気軽に楽しみたい方にもおすすめです。

お手入れ方法
生地によってお手入れ方法が異なります。平織・久留米紬などは洗濯機のご利用が可能な商品もありますが、デニムや刺子織、甚平のしじら織生地は手洗いを推奨している商品が多くなっています。お手入れの際は、必ず商品タグの洗濯表示をご確認のうえお取り扱いください。
また、綿素材のため、洗濯によって多少の縮みが発生します。目安として、弊社の刺子織・しじら織の浴衣では、Mサイズ(身丈約140cm)が洗濯後に約132〜133cmへ、Lサイズ(身丈約145cm)が約138cmへと縮んだ実績があります。水通し(防縮加工)をしていない綿生地の縮み率は一般的に3〜5%程度と言われており、この数値もその範囲に近いものです。作務衣・甚平でも同様の生地特性上、洗濯によって数cm程度の縮みが生じる可能性がありますので、あらかじめご了承のうえお取り扱いください。
サイズ選びで失敗しないためのポイント
サイズを選ぶ際は、適応身長だけでなく、まずウエストサイズが合うものを基準にお探しいただくことをおすすめします。
作務衣は全体的にゆったりとしたつくりで、紐で前を止めるタイプのため、普段のお洋服と同じ感覚でサイズを選ぶと、思っていたより大きく感じられることがあります。ワンサイズ小さめを検討してみるのも一つの方法です。
作務衣をこなれて見せるコーディネートのコツ
下着は、普段お使いのTシャツなどの肌着で問題ありませんが、丸首だと衿の合わせから首元が見えてしまいがちです。Vネックタイプの下着を選ぶと、衿合わせからのぞきにくくなり、部屋着っぽさが軽減されます。
靴下は、足袋ほどしっかりしたものでなくても大丈夫です。五本指ソックスや足袋ソックスを合わせると、雰囲気がぐっと和装らしくなります。
首元が肌寒いときは、ストールや手ぬぐいを巻くのもおすすめです。冬場はトレーナーやハイネックを下に重ね着すれば、季節を問わず着こなしの幅が広がります。

まとめ
- 甚平:夏向け、くつろぎ着に最適。しじら織や梯子レースなど涼しく過ごす工夫が満載
- 作務衣:通年着用可能。来客対応もできる、暮らしになじむ普段着
どちらも一度袖を通すと手放せなくなる心地よさがあります。まずは自分の暮らし方に合わせて、素材や着るシーンから選んでみてください。
