氷の心が溶けるとき ― オペラ「トゥーランドット」を観て
以前、オペラを聴いたネズミが延命したという話を耳にしたことがあります。人にとっても、きっと同じようにリラックス効果や癒しの力があるのでしょう。オペラは、細胞を元気にする「魂の処方箋」なのかもしれません。
荒川静香さんがオリンピックで金メダルを獲得したときのフリー演技で使われていた「トゥーランドット」。あの音楽が心に残ってから、ずっと気になっていた演目でした。年月は経ってしまいましたが、今回ようやく観に行くことができました。ウクライナ国立歌劇場(旧キエフ・オペラ)による、プッチーニが描く圧巻の異国情緒あふれる舞台です。
冷徹な氷の姫君の心が、物語の終盤でついに溶けていく――「すべては愛で変わる」というメッセージが、まっすぐに伝わってくる公演でした。観終えた後には、心にそっとサプリメントをいただいたような、満たされた気持ちが残りました。
オペラの余韻のおかげで、しばらくは日常の景色が少しだけドラマチックに見えてくるから不思議です(笑)。この余韻のおかげで、数日間は楽しい気持ちで過ごせそうです。


